ウオンカーウァイの1990年の作品。 全てがことごとくキザなのに、なぜか面白いと思ってしまう。 私はウオンカーウァイ作品の中で一番好きです。 「いますぐ抱きしめたい」から突然変異して、どうしてこうもスタイリッシュ路線へ行けたのか謎なのですが、舞台を1960年代に置いた事で、逆に今でも古さを感じないのかもしれません。使われている曲も木琴駆使でいい曲ばかり。サントラが欲しくていつも未だに探しています。 暑苦しいほどねっとりとした妖艶レスリーチャン。 冒頭からねっとり目線全開で、化粧っ気の全くない純真娘マギーチャンに、「一分間の友達」なんていうキザな台詞を強要。力技。そして二人別れるまでの冒頭10分未満、ここでレスリーにやられてしまえば、後はズルズル引きずりこまれます。 濃い化粧のカリーナラウ。純真変人ジャッキーチュン。 半ズボンはいて街角でみかん食べてる警官アンディーラウ。 どれも皆良いです。 特にアンディーラウは、帽子を目深にかぶって、レスリーチャンと対極の存在で登場。とても格好良い。 ラスト近く、フィリピンでレスリーチャン扮するヨディが発砲する所。 その場所に到るカメラが、それこそ鳥のように屋外から中へ、階段を上り、アンディーとレスリーを捉えるまでの浮いている感じがとても好きです。 続編があるなら見てみたかった。 ラスト、唐突にエンディングの曲とともにトニーレオンが登場。初めて見た時は何がおこったのか分からず、トニーをアンディーだと思っていました。 戻る |