2004年1 0月12日(火・星期二)

昨日の教訓をもとに、とにかく目的を持って元気に行動することに。
今日は2時半に先生の友達のカーマンと尖沙咀で、夜七時半に先生の妹さんと待ち合わせの予定。

またもや7時20分くらいには大家姐を見送って
今度はごろごろせずにすぐ行動。8時半には家を出て、地下鉄駅の「九龍塘」までバスに乗る。
途中は高速道路に使って行く。

目的地の中環に、9時半頃着く。
そう、ここはあの「恋する惑星」の「ミッドベルエスカレーター」のある所。
坂道が多い。でも香港らしい所。
ひょいと見かけた露天ではトニーレオンが目をつぶった「號外」とデカデカ描かれた雑誌を発見。
すごく大きいので躊躇したけど、購入する。さい先いいぞ。今日は。

実は「ミッドベルエスカレーター」は朝の10時まで上→下に動く。
朝10時15分〜夜11時頃までは下→上へ。

  下に動くミッドベル

ここらへんは、「SOHO」及び「蘭桂坊」と呼ばれる地区。
外人も多く、ご飯屋さんもこじゃれてる。
そこら辺をぷらぷら。
昨日一日「新界」地区にいたせいで、この観光地の雰囲気にすこし切なくなる。
本当の香港は昨日居た地区のような気がする。

少しすると警備員(警察?)が現れ、エスカレーターの横断を遮断。下→上へ動き出した。
エスカレーターを上ってお目当ての「欲望の翼」のロケ地へ行く。

・・。あった。
あの古めかしい風景はもうないのだろうと勝手に思ってきたのに。
・・感動。
ここに来れたことで、旅の大半の目的を果たしたような気がした。

途中で日本人に道を聞かれたりしながら坂を降りる。

ジューススタンドでシュースを買おうとしたが、
ほとんど広東語が通じない!がーん。
「にいごごんとんわーでぃむごんあー?」と(これ広東語でなんて言うんですか?)
なんて聞きながらどうにかリンゴとミカンのミックスジュースを購入。
「しっくすだらー」なんて最後は英語で受け答えされてがっかりする。

友達が教えてくれた足つぼマッサージの「知足楽」を発見。
中に入るとやっぱりほとんど英語で話されてしまう。。。ううう。
むしろ英語よりは広東語のほうがましなのにな・・。

こんな早い時間からマッサージを受けようなんてバカな客は私くらいなもので、
貸し切り状態。
多分フィリピンからやって来たと思われるお姉さんにフットバスから、丹念に足をもんでもらう。

手渡された雑誌は日本のだし。ううう、悲しいぞ。
いやーでも気持ち良かった。
昨日からの疲れと、山を下ってがくがくだった足に元気がみなぎってきた。
昨日「亀ゼリー」を食べてから肩こりと頭痛もすっかり直ったし。しめしめ。

最後は全身をマッサージしてもらい、50分。しめて200ドル(2800円くらい)
はあー気持ちよかった。

終わったのが12時ジャスト。
近くの映画館では確か12時くらいから「2046」がやっているはず。
よし!行ってみよう!

中環のどでかい「国際金融中心(IFC)」というビルに映画館がある。
香港の乗り物すべてに使える「八達通」というカード(スイカのもっと便利版)
で映画のチケットを買い、
そこいら辺にいたお姉さんに「おーそんほいへいゆん、へいゆんはいびんどあー?」
と映画館の場所を聞き出し、(でもやっぱり返って来たのは英語・・)
12時5分からの上映に滑り込む。
まだ、宣伝中。
やった!...ってここでいいんだよね。まちがってないよね。
と思っていたらちゃんと大画面に「梁朝偉」の文字がばばばばーんと出て、始まった。

・・すごくよかった。

王家衛のそれも「欲望の翼」と「花様年華」が好きな、
そして梁朝偉が好きな私にはよかったです。(多分知らないと全然面白くないはず)
(関係ないですが、「2046」の広東語読み「いーりんせいろ」という響きも綺麗で好きです。)

ちょっと長いような(これは「楽園の瑕」とも少し似てる)気がしたけれど、
最後のタクシーのシーンが胸にこびり付いて離れない。

香港は誰にとっても移民の場所なのかもしれない。
それを痛いほど感じている王家衛に、今旅行で来ている私も共感してしまった。

こりゃ香港の大多数の人にはもしかしたらわからないのかもしれない。
多分舞台は、今いる中環、香港島周辺。
フェイ・ウオンが木村拓哉に説明しているのは今さっき通ってきた道。

王家衛にとってフェイ・ウオンは店先に立っているイメージなんだろうな。

そしてとにかく旭弟。
もう本当に死んでしまった旭弟。
でも残された人たちが生きて行く。

王家衛は逃げられないで、ただタクシーに乗り続けている。

でもまあへんてこでおいおいというシーンも多いのですが。
日本語はない方がいいなあ・・。

チャン・ツイーィーの白小姐が今回のミミ。
ミミは今回、明らかに旭弟の母だ。
チャン・ツイーィーがすごくよかったな。

そしてトニー・レオン。
この人、本当にすごいな。いままで完全に見た事のない感じだ。
なんというか。・・尊敬してしまう。すごいなあ。

とかなんとか言っているうちに、2時20分。
二時半尖沙咀の待ち合わせに間に合うか!!??
映画を見ていた「IFC」から「中環」駅まで地下道がつながっているものの、遠い遠い。
汗水たらして地下鉄に乗り、一駅。尖沙咀に着く。
今度は、待ち合わせのD出口がわからない!

とりあえず、D1出口で待っている人を発見し、話しかけるも人違い。
するとカーマンから電話。ほっと一息。「そこで待ってて」との事。

ちょっとしたら出口からものすごい勢いで人が出て来た
私とカーマンの第一声が、同時に「唔好意思!」(ごめんなさい)だったので
笑ってしまった。
カーマンも遅刻だったみたい。

カーマンの勤め先(銀行)の友達と三人で麺を食べて、お友達と別れ、尖沙咀をうろうろ。
お目当ての「2046」の展示がやっている「新太陽広場」を目指す。

カーマンはとっても楽しい、今時のかっちょいいOLさん。
話もとても面白い。
「小巴(しうばー)」という小さなバスでは、
特にバス停でなくとも「落車(ろくちぇー)!」と叫べば停まってくれる。
香港の白人さんや黒人さんは広東語はしゃべれないのに、「落車!!」だけは知っている、とか
他愛のない話をしているうちに「新太陽広場」に到着。

・・「2046」の展示スペース、狭い!

ショッピングモールの一角にありました。


 赤いのがカーマン
白小姐と、未来版ミミ(カリーナラウのサイン付き)衣装





 
周先生の書斎(椅子に座って記念写真も撮りました・・あほー)





 
このようなパネルで一角を区切ってある。

ポストカードとポスターが売っていて一枚20ドル(300円くらい)。それも広告付き。
躊躇なく買おうとしたらカーマンに、
「高い、高い、やめときなって!あとで、油麻地に行こ!もっと安いから」と言われ
買うのはお預けに。

今度はまたも「恋する惑星」に出て来た重慶マンションに行く。
私の顔をみるなり「偽物時計あるよ」「偽物バック見る?」と日本語で
インド人が沢山話しかけてくる・・。
なぜ!なぜなんにも話してないのに日本人だってわかるんだー!
と怒りつつも、めげずにずんずん中に入ろうとすると
カーマンに、「この辺でやめとこ!怖い怖い」と、一緒にすぐ外に出た。

ここからはお決まりのコースで、すぐそばの馬頭からスターフェリーに乗ることに。
何しろ初香港なので観光を一通り満喫したい。

今度はカーマンの友達の男の子、スティーブが加わる。ちょっと太めの面白い人だ。

スターフェリーの座椅子。カワイイ。

対岸の湾仔に着いて、今度は香港名物、創業100年世田谷線を二階建てにしたみたいなトラムに
乗り銅羅湾へ。

奥の黄色のがトラム(電車)。

香港の乗り物は火車(電車)にしろ地下鉄にしろ、すごく新しく綺麗。
それにくらべてフェリーやトラムは古くてゆっくりしてて親しみやすい。

銅羅湾の「許留山」でお茶をすることに。
スティーブがトイレに立った隙にカーマンがこそこそ私に、
「スティーブが帰ってきたら死肥仔(せいふぇいじゃい)って言ってやって!」と言ってくる。
笑っているとスティーブが戻ってきた。
カーマン「ごっぐうが、あんたに言いたいことがあるんだってさ」
スティーブ「なになに??」
私が何も言えないでいると、
普通の顔してスティーブが「え?死肥仔でしょ??」
ととぼけたので爆笑。
「日本の悪い言葉教えて!死肥仔って日本ではなんて言うの?」というので
三人で「でぶ」「でぶ」「でぶ」「でぶ」とでぶの発音練習をした。

そこでも本屋に寄ってトニー表紙の雑誌とマギーチャンが表紙の雑誌を購入。

今度はバスに乗って油麻地(やうまあでい)へ。バスの中でも悪い言葉ばかり教わる。

油麻地に降りた瞬間、まわりは入れ墨をしたコワイお兄さんばかり。
本当にいるんだ・・。「ジョニー・トー」な世界だ・・。

でもすぐそこにはアート系映画館に隣接したアート系本屋が
板張りの店内に自由に坐れる北欧系の椅子。ああ、こういう所が香港にもあるんだ・・。
奈良美智の画集が平積みで置いてあったりする。

いままで香港では「2046」が特に盛り上がった感じじゃなかったのに、
ここでは王家衛の評論集が平積みになっていたり、
「2046」を見るとノベルティーグッズがもらえるフェアーをやっていたり。
そうかそうか。サブカルチャーとかそういう捉え方なんだな・・。と発見。
王家衛関連の本を二冊購入する。
けっきょく「新太陽広場」のポストカードなどは売っていなかったけど、結構満足。

昨日の大家姐もそうだったけど、カーマンも「重いでしょ」と人の荷物を絶対に持ってくれる。
・・なんだろうこの温かさは。優しいなあ。

旺角で「2046」のポスターを購入して先生の妹さんと合流、「何食べたい?」と言われたので
「火鍋!」をリクエスト。
日本の鍋みたいな感じだけど、スープが選べる。私たちは香菜の沢山入ったさっぱりタイプ。
美味しいです。ぜひぜひ香港でお試しあれ。

またしても隣にはヤクザな感じのお兄さんたちが奇麗なお姉さんをはべらせて鍋をつついて
ゲラゲラ笑っていました。
映画のよう・・。
「壊人」(こわいひとだ)と言うと、カーマンにそんな事いっちゃダメ!
とにらまれました。

帰りは妹さんが大家姐の家までバスで送ってくれ、簡単に帰宅。
買った沢山の荷物に大家姐にあきれられました・・。とほほ。


中環のエスカレーター周辺
「欲望の翼」でマギーとアンディーが話すあたり(またピンぼけ)
繁華街のタクシーはお馴染みの赤
中環の映画館で
中環の駅まで遠い!
尖沙咀の町並み 広東道の学校の前
新太陽広場の展示説明
悪そうな感じの人一杯。ちょんひんたいはー
スターフェリー乗り場。
奥の高い建物が「2046」を見た「国際金融中心」ビル
トラムの二階から見える風景
手前の丸いコンクリートは駅の屋根。
カーマンが「この屋根に降りるんだよ。」とか
嘘を教えてくれました。
「油麻地」のアート系映画館の展示
「火鍋」手前のピーナッツはおつまみ。
←戻る 進む→
←香港映画に戻る

[PR]動画